ある日、ポストに投函された水道使用量等のお知らせを見て、私は自分の目を疑いました。前回の請求額から一気に二倍近くに跳ね上がっていたからです。生活スタイルに大きな変化はなく、節水を心がけていたつもりだったので、水道代が高い原因が全く見当たらず、数日間は狐につままれたような気分で過ごしました。まず私が疑ったのは、子供たちのシャワーの出しっぱなしや、洗濯の回数が増えたことでしたが、本人たちに確認しても納得のいく答えは得られませんでした。不安に駆られた私は、インターネットで調べた方法を頼りに、自分なりに点検を始めることにしました。まず家中の蛇口をすべて閉め、一滴も水を使っていない状態を作り出してから、玄関先にある水道メーターのボックスを開けました。そこには小さな銀色の円盤、いわゆるパイロットと呼ばれる部分がありますが、それがゆっくりと、しかし確実に回転していたのです。これは家の中のどこかで水が漏れている決定的証拠でした。私は家中の水回りをしらみつぶしに調べましたが、洗面所や台所に水漏れの跡は見当たりませんでした。最後にたどり着いたのが、二階にあるあまり使っていないトイレでした。便器の中をじっと見つめると、水面にわずかな波紋が立っていることに気づきました。タンクの蓋を開けてみると、中の部品が劣化し、オーバーフロー管から水が少しずつ溢れ出していたのです。シューというかすかな音は、注意深く耳を澄ませなければ聞き逃してしまうほど微かなものでした。これが一日二十四時間、一ヶ月間も続いていたと思うと、水道代が高い原因は明らかでした。すぐに業者に連絡して修理を依頼しましたが、原因が特定できたことへの安堵感と同時に、目に見えない場所でのトラブルの恐ろしさを痛感しました。修理後の翌月の検針票では、料金は以前の水準に戻り、ようやく胸のつかえが降りました。この経験から学んだのは、水道代の急激な変化は、必ず何らかの「声なきサイン」であるということです。それ以来、私は月に一度は水道メーターをチェックし、家族にも水の使い方を意識してもらうようにしています。不便を感じることなく暮らしていても、設備の裏側では劣化が進んでいることを忘れず、早め早めのメンテナンスを行うことが、結局は最も家計に優しい選択になるのだと確信しています。
突然の水道代高騰に悩まされた私の漏水発見記