トイレの止水栓と一言で言っても、実はいくつかの種類があり、自宅のトイレに設置されているタイプを正しく理解しておくことは、水漏れなどのトラブル時に、業者とスムーズに話を進めたり、あるいはDIYで部品を交換したりする際に、非常に重要になります。止水栓は、主に「操作方法」と「給水管の接続方向」によって分類されます。まず、「操作方法」による分類で最も一般的なのが、「ハンドル式」です。蛇口のようにつまみが付いており、工具を使わずに手で簡単に開け閉めできるのが特徴です。操作が直感的なため、緊急時にも誰でも扱いやすいというメリットがあります。もう一方が、「ドライバー式」です。その名の通り、マイナスドライバーを溝に差し込んで回転させることで開閉するタイプで、ハンドルがない分、見た目がスッキリとしており、壁際など狭いスペースにも設置しやすいのが特徴です。また、子供などが誤って触ってしまうのを防ぐ効果もあります。次に、「給水管の接続方向」による分類です。壁から給水管が出ている場合は「壁給水」、床から給水管が立ち上がっている場合は「床給水」と呼ばれ、それぞれに対応した形状の止水栓が使われています。壁給水用の止水栓は、一直線の形状をしていることが多いのに対し、床給水用の止水栓は、床から立ち上がった管を、トイレタンクの方向に90度曲げるためのL字型(アングル形)をしています。もし、止水栓本体を交換する必要が生じた場合、これらのタイプを間違えて購入してしまうと、物理的に取り付けることができません。交換用の止水栓を選ぶ際は、必ず、既存の止水栓が「ハンドル式か、ドライバー式か」、そして「壁給か、床給水か」という二つの点を正確に確認する必要があります。また、給水管の太さ(呼び径)も、一般的には13mmですが、念のため確認しておくとより確実です。止水栓本体の交換は、給水管との接続作業を伴うため、パッキン交換に比べてDIYの難易度は格段に上がります。接続が甘ければ、そこから深刻な水漏れを引き起こすリスクも高まります。作業に少しでも不安がある場合は、無理をせず、適合する製品の選定から取り付けまで、プロの水道修理業者に任せるのが最も安全で確実な選択と言えるでしょう。
ハンドル式?ドライバー式?トイレ止水栓の種類と交換時の選び方