ウォシュレットの快適さを誰もが享受できるわけではありません。特定のタイプのトイレや設置環境では、残念ながらウォシュレットの取り付けが困難、あるいは不可能な場合があります。特に、温水洗浄便座を後付けできないトイレにはいくつかの共通した理由があり、事前にこれらを知っておくことで無用なトラブルを避けることができます。 まず、最も分かりやすい例として挙げられるのが「和式トイレ」です。和式トイレは洋式トイレとは根本的に構造が異なるため、直接ウォシュレットを取り付けることはできません。和式トイレを洋式トイレにリフォームし、その上でウォシュレット付きの便座を選ぶという大掛かりな工事が必要となります。 次に、近年増加している「一体型トイレ」や「タンクレストイレ」も、ウォシュレット単体での後付けが困難なケースです。これらは便器と温水洗浄便座、あるいは便器とタンク、便座が一体となってデザインされており、元々ウォシュレット機能が組み込まれています。もし、これらのトイレに後から別のウォシュレットを取り付けたいと思っても、構造上難しい場合がほとんどです。 ただし、一体型トイレの機能部のみを交換することで、最新機能付きトイレにすることも可能な製品もあります。 また、設置環境に起因する問題もあります。例えば、トイレ室内に電源コンセントがない場合、ウォシュレットは電化製品であるため、取り付けは困難です。 コンセントの新設には電気工事が必要となり、費用や時間が発生します。さらに、トイレ空間が狭い場合も、通常の便座よりも幅があるウォシュレットの設置スペースが確保できないため、取り付けができないことがあります。 これらの条件に該当する場合、ウォシュレットの取り付けは専門業者に相談するか、代替策を検討する必要があるでしょう。